偏差値100を超える条件を調べたら偏差値の理解が深まった

こんにちは

偏差値が100を越えることは何となく知っているけど、どのような条件なのか改めて調べたら、偏差値について理解が深まりました。

本記事の内容
  • 偏差値の求め方と、偏差値100以上をとる条件

偏差値とは

Wikipediaでは、偏差値は、

偏差値(へんさち、英: standard score)とは、データの値が、平均50、標準偏差10のデータに変換(正規化)したときに示す値のことである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%8F%E5%B7%AE%E5%80%A4

と説明されています。

偏差値は、データの値が正規分布に従っていることを前提として計算されます。

こんな感じの分布(平均値50、標準偏差10)

データの平均値を偏差値50となるように変換した値とありますが、どのように変換するのかなど、これだけではよく分からないので偏差値の求め方を勉強しました。

偏差値の求め方

偏差値を求めるには、

平均値 → 偏差 → 分散 → 標準偏差 → 偏差値

の順に計算していきます。

平均値を求める

平均値\(\;\bar{ x }\;\)は、

$$ \begin{align} \bar{x} &= \frac{1}{n}(x_1 + x_2 + \cdots + x_n) \\ &= \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} x_i \end{align} $$

と求めることができます。\(n\;\)はデータの総数を表します。

偏差を求める

偏差とは、個々のデータと平均値の差のことです。

$$ 偏差= x_i – \bar{x} $$

\(n\;\)個のデータそれぞれの偏差を求めます。

分散を求める

分散\(\;s^2\;\)とは、データ分布の散らばり具合のことです。

偏差を二乗して平均をとります。

$$ \begin{align} s^2 &= \frac{1}{n}[(x_1 – \bar{x})^2 + (x_2 – \bar{x})^2 + \cdots + (x_n – \bar{x})^2] \\ &=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} (x_i – \bar{x})^2 \end{align} $$

と計算できます。

標準偏差を求める

標準偏差\(\;s\;\)は、分散の正の平方根と定義されています。

$$ s = \sqrt{\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} (x_i – \bar{x})^2} $$

偏差値を求める

データの値\(\;x_i\;\)に対する偏差値\(\;T_i\;\)

$$ T_i = \frac{x_i – \bar{x}}{s} \times 10 + 50 $$

と定義されます。(\(\;s\;\)は標準偏差)

具体例

文字ばかりでイメージがわかないので、具体的な数字を使って計算します。

テストの点数を想定するのが分かりやすいと思います。

excelを使ってRANDBETWEEN関数で適当な数字を入れて、平均値から分散までを計算してみます。

ABCDEF平均
得点54697159557664
偏差-1057-5-9120
偏差の2乗1002549258114470.7
小数点第2位で四捨五入してます

分散\(\;s^2\;\)は、偏差の2乗を平均した

$$ s^2 = 70.7 $$

となり、標準偏差\(\;s\;\)は、分散の正の平方根をとって

$$ \begin{align} s &= \sqrt{70.7} \\[8pt] &= 8.41 \end{align} $$

と計算できました。

なお、excel関数で標準偏差は直接計算することができます(STDEV.P関数(母集団)、STDEV.S関数(標本))。

この標準偏差の値を用いて、各得点の偏差値を出します。

ABCDEF
偏差値38.155.958.344.139.364.3

偏差値100以上をとるには

ところで、偏差値100以上をとる条件はどのようになるのかを考えていました。

偏差値\(\;T_i\;\)は

$$ T_i = \frac{x_i – \bar{x}}{s} \times 10 + 50 $$

と表されるので、条件は

$$ \frac{x_i – \bar{x}}{s} \times 10 + 50 \geq 100 $$

となるでしょう。これより、

$$ \begin{align} \frac{x_i – \bar{x}}{s} &\geq 5 \\[8pt] x_i &\geq \bar{x} + 5s \end{align} $$

となります。

偏差値100以上をとるには、平均値から標準偏差の5倍以上大きい得点を取ればよいと分かりました。

実際のテストで実現可能か

大学入学共通テスト

独立行政法人大学入試センターに、大学入試共通テストの結果が掲載されています。

偏差値100となるには、平均点が低く、かつ標準偏差も小さいテストで高得点を取ればよいですが、標準偏差を見ると大体15~20程度に収まっているので、満点でも偏差値70台というところでしょうか。

難易度が調整されているので、偏差値100といった外れ値は出ないようになっています。

東大模試

「東大模試 偏差値」で検索すると模試の結果を載せている人がたくさんいます。

偏差値100以上をとっている人は見つけられませんでしたが、数値を見てみると平均点と標準偏差が十分低い科目もあるので、その科目で高得点を取りさえすれば偏差値100以上は可能であることが分かりました。

参考にしたもの

田畑吉雄『新訂 やさしい統計学』新訂2刷,2007

2 COMMENTS

けん

自分の高校内であれば、たしか単科(数学)で偏差値が102ぐらいになったことはあります。専用シートに印刷されていたので、何かの模試の結果だったと思います。
当時は、偏差値が100を越えることもあるんだなと思いました。
東大には2~3名合格する程度の高校でした。たぶん平均値のダブルスコアぐらいとる必要がありますね。

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ひで

コメントありがとうございます。
私も高校の時に、何かの模試で偏差値100を見たことがあります。
やはり100を超えるには平均点が低いことが前提で、かなり突出した点数をとらないといけないですね。

返信する

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